金沢医科大学産科婦人科の高倉正博と申します。
2022年に本学は建学50周年を迎えました。高度成長期に誕生した新設医大といっても半世紀を越える歴史を刻んできたことになります。その間に産婦人科医療を取り巻く環境も大きく変化してきました。少子化、高齢化の影響はここ北陸地方でも大きく、特に能登半島で顕著です。産婦人科医、分娩可能施設の数は少子化以上のスピードで減少し、地域での産婦人科医療をどのように維持していくかが大きな問題になっています。能登半島の入り口に位置する本学の果たすべき役割は大きいものと思います。一方で医療の高度化、複雑化に応えるため高い専門性と技術力を有した産婦人科医の養成はますます重要性を増してきています。
いろいろ考えると難しくなってきて眉間にしわが寄りそうですが、医学の本質は人を幸せにすることだと思います。患者さまとそのご家族に笑顔になっていただくために、私たちも笑顔でまっすぐ一生懸命に産科婦人科学に取り組むことが最も大切なことだと思います。私が講座主任に就くにあたって金沢医科大学産科婦人科のパーパスを「産科婦人科学でえがく、わたしたちのしあわせ未来」と定めました。当教室のスタッフが産科婦人科学の修練をとおして社会に貢献し、そして自らもしあわせになっていく。それを全力で後押しする教室でありたいというのが私の願いです。