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教授からのメッセージ

しあわせミライを、ここから Obstetrics and Gynecology

産婦人科は生命の誕生に関わるのみならず、女性の一生を支える診療科です。産婦人科というと妊娠の管理や分娩の取り扱いがまずイメージされるかもしれませんが、主な分野としては周産期、生殖、腫瘍、女性医学の四つがあります。

現在の日本では少子化が進み社会問題となっていますがハイリスク妊娠はむしろ増加傾向にあり、周産期医療の重要性は増してきています。地方のみならず都市部でも分娩取り扱いを維持できない地域が生じてきており、高度成長期に医師になった産婦人科医が引退の時期を迎えていることもこれに拍車をかけています。生殖分野では結婚年齢の高齢化もあって不妊に悩むカップルが増加し、これを受け自費診療であった不妊治療が保険適応となりました。腫瘍の分野では腹腔鏡手術やロボット支援手術などの新しい術式や、分子標的薬などの新しい治療薬が続々と登場しています。また少子高齢化社会において女性のQOLをサポートする女性医学の大切さは多くの人に認知されるようになってきました。

このように産婦人科医の携わる分野は多岐にわたり、これに応えるには様々な能力を必要とされますが、同時に個人の特性・興味に合わせて、特定の領域に特化することも可能です。ライフステージに応じて注力する領域を調節することももちろん可能です。女性医師も男性医師も、若手もベテランも各々が必要とされる場があるのです。また、どちらかというと産婦人科には「きつい」「忙しい」というイメージがあるかもしれませんが、当教室ではチーム医療とワークシェアを適切に行うことで、特定の人に過度の負担が集中しないようにしています。

当教室ではこのように広さと深さを持つ「産科婦人科学」を自分の人生を築くためのツールとできるように正しく習得していただくとともに、それを良い形で社会に還元し、自分と自分を取り巻く人たちを幸せにすることを目指しています。ぜひ皆様が当教室の門を叩けれることを願っています。

女性医師の活躍

産婦人科医局に所属して2年目に妊娠・出産をし、産婦人科専門医の資格取得に向けて現在研鑽を積んでいるところです。「忙しいイメージのある産婦人科の仕事をしながら育児もしている」と聞くと、家事も得意で仕事も要領のいい人に違いないと思われるかもしれませんが、私は全くそうではありません。日によって仕事を優先したり、こどもの予定を優先したり…医局の方々や家族のあたたかい応援により、臨機応変に対応していただいています。
また、産婦人科領域の中でも周産期、腫瘍、生殖・内分泌、ヘルスケアと専門分野が多岐にわかれており、必ず活躍できる分野がありますよ。もちろん、100%自分の理想通りではなかったり、周りに迷惑をかけてしまったりすることも沢山ありますが…確実にその中で自分のできることを増やしていくことができます。

よく学生さんに「先生はなぜ産婦人科を選びましたか?」と聞かれます。一般的に産婦人科はきついとよく言われますが、そのきつさに見合う素晴らしさがあると思ったからです。具体的には、患者さんと同じ女性という立場であることから、「この辛さや痛みを理解してくれるはず」と期待し、心の内を打ち明けてくださる機会が多く、治療のみならず精神的にも深くかかわることを求められているように思います。その期待に応えられるよう、知識や技術だけでなく、広い度量を身につけていかねばという使命感があり、大変面白い科だと日々感じています。

産婦人科は女性医師が多く、その分の働き方があると思います。今後妊娠・出産・育児をする他のメンバーが「仕事も育児も両方諦めずに働けるんだ!」と励みになるように、これからも前向きな姿勢で頑張っていきたいと思っております。

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金沢医科大学産科婦人科医局

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